BSCのイールドファーミングアグリゲーター・autofarmとは

BSCのイールドファーミングアグリゲーター・autofarmとは

更新:

autofarmは、yield farming aggregator(イールドファーミングアグリゲーター)でBSC(Binance Smart Chain)上で本記事の執筆時点で2番目にユーザーが多いプロダクトになっています。

yield farming aggregatorと言われても、パッと他の事例が思い浮かばない方もいるのでは無いでしょうか。

この記事ではBSCの特徴故に浮かび上がってきたyield farming aggregatorについて概要を見ていきます。

出典:DappRadar

目次

autofarmの概要

Yield farming aggregatorはLPtokenやコインを預け入れる先を最適化して運用してくれるプロダクトです。

こういったアイディアは中国では通称「マシンガンプール」と呼ばれている高リターンのDeFiプロダクトです。

マシンガンプールは、ユーザーがコインを貸して、リターンの最適化の原則に従って市場で投資機会を探します。マシンガンの連発のようにに、機会があればすぐ切り替えることが名前の由来らいしいです。中国系の一部の取引所で人気の高い投資商品です。

autofarmはこのアイデアをDeFiの世界に持ち込みました。BSCネットワークの中でも非常に高利回りなプラットフォームであるPancakeを使えば、autofarmはユーザーから集めたコインを自動的にPancackeのLPプールに投入して最高の利回りを得ることができます。

出典:autofarm

週や月単位での預け入れた必要な従来のマシンガンプールと比較すると、autofarmはユーザーがいつでも入出金ができるようになっている特徴の1つです。

(但し、入金額の0.1%以下の手数料を1回の入金あたりの手数料として徴収されます)

また、現在のAPYは、PancakeswapやCAKEトークンの高騰で非常に高くなっています。これまでのDeFiのレンディングプロダクトでは、ETHのAPYは約0.5%を程度あり、autofarmでは、では40%を超えています。

出典:autofarm

もちろん、この数字の詳細を見てみてると、大きな割合はautofarmのネイティブトークンであるAUTOから来ていることがわかります。

AUTO

現在AUTOの価格は7000ドル前後です。ユーザーから預け入れたコインからの収益の内1.5~3.0%は市場からのAUTOの買い戻しとBurnに使われています。現在AUTOは1ブロックあたり0.008AUTOの割合で生産されています。これは2021年10月で終了します。低出来高・デフレモデルであるため、短期的な利益は表示されたAPYを上回る可能性もあります(AUTO高の場合)。

尚、AUTOはチームが12%を保持しています。残りの88%を資金を提供してくれるユーザーに分配しています。

自動複利 (auto-compounding)

このプロダクトは自動で複利が取れるようになるという話をしているように感じます。

  • Venusから得たXVSをPancakeswapに更に預け入れてCAKEを獲得する
  • PancakeswapからCAKEを獲得して、再度Pancakeswapに戻す

などといった作戦を取っているはずです。現在のLayer1のEthereumネットワークではガス代が高いため、このような運用は経済的難しいです。そして、Uniswapの場合にはLPTokenを払い戻した割合が決まっている為、複利での運用ではありません。BSCの低手数料ネットワークと、マシンガンプールの規模の経済(まとめてコインを動かす事による手数料の節約)、複利収入が可能になります。これが、autofarmがPancakeswapの元のプールよりも高いリターンを得られる理由かもしれません。

リスク評価

autofarmの自体は個人(のハッカー?)による監査が為されています。更にそもそものSwapや運用においてPancakeswapやVenusを利用している為、BCS上の他のプロダクトのリスクとautofarm独自のスマートコントラクトのリスクが重なっています。

スマートコントラクトの事例

  • ユーザーが入金したらPancakeswapに割り当てる リンク
  • 出金時の複雑な操作 リンク

上記の出金操作は、Ethereumメインネット上で行えば、ガス代が200ドル近くになる可能性がありますが、BSC上では数ドルです。

所感

使い勝手としてはシンプルでわかりやすく、使い勝手はいいです。

基本的にautofarmの高いリターンは、Pancakeswapやvenus、CAKEやXVSトークンなどの評価から来ています。BCS上の他のプロダクトが潰れた時は、一貫して高いリターンを提供することが難しくなる可能性が高いです。

ただ、このモデル自体は他への応用の可能性も十分に有り得ます。

もっと本質的には、BSCの手数料がEthereumメインネットの1%以下だからこそ、Pancakeswapやautofarmが可能になるのです。EthereumでもLayer2が大きく広がったり、ETH2.0の時代が本当に到来した時には、もっと多くのイノベーションが生まれるかもしれません。

シェア
COINJINJA編集部(@coinjinja)です。主に仮想通貨、ブロックチェーン関連のニュースをたびたび配信していきます。立ち位置は仮想通貨界隈の大衆紙、毎日正確な情報を適切に配信するというスタンスではありませんのでご注意下さい。