【インタビュー】現在日本発ICO実施中のAMPLE!経営陣に本音と裏側を直撃

COINJINJA 編集部
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AMPLE!は、コスプレ写真の投稿プラットフォームであり、今回のICOもコスプレ経済圏を作る為に開始している。多くのICOがブロックチェーンの技術寄りのものであったりする中で、比較的想像はし易い、でも未知の世界でもあるプロジェクトだ。

ICOを評価する上で、「本当にブロックチェーン技術が必要なものか」「その仮想通貨が今後流通するのか」等が見極めのポイントになる。 AMPLE!に関しては、前者と関連は薄いが、後者は何となく流通しそうな気がするICOだ。

その中身と実際どのようなチームでAMPLE!が運営されているのか、オフィスまで伺い、経営陣に実際に取材をしてきた。

「コスプレ経済圏とはどのようなものか」  

「既に2億円以上を調達したICOの裏側は」  

「AMPLE!チームの運営実態について」

COIN JINJAのサイトやホワイトペーパーからは分からない内幕について聞いてきた。

コスプレ経済圏とはどのようなものか

株式会社AMPLE COO 大山 純

Web 系制作会社にディレクターとして入社。その後、株式会社エニグモにて、新規案件のプランニングや自社サービス運営に従事。株式会社ヒトメディア入社後は、新規サービスの立ち上げに関わり、企業との共同プロジェクトや慶應義塾大学との産学連携プロジェクトの研究に参画、同時に投資先企業のサポートも行う。2016年9月より株式会社AMPLE取締役に就任。

AMLPLE!の現在のビジネスモデル

AMPLE!のスタートは、コスプレ専門の写真投稿サイトとして2012年にスタートしている。

サイトを実際見てみるとわかるように、そこに並ぶ写真のクオリティは非常に高い。

登録しているコスプレイヤーは7000名以上、国別で見ると日本の割合が1番高いが、70%以上が海外からだ。マンガなどと比べると、文字の翻訳が不要な分海外発信がしやくなっている面もある。

現在のAMPLE!の収益手段は、AMPLE!POINTの販売に限られる。そしてその用途が特定の写真をトップページに表示することに限定されている。

そして、写真を掲載しているコスプレイヤー側は、AMPLE!を通じてファンの獲得や認知度拡大は出来るが、このプラットフォームで収益は得られない。

これは現行の日本の法律規制が影響している。例えばファンがコスプレイヤーに投げ銭をするなどの手段は日本円ではかなりハードルが高い。 元々この部分を仮想通貨で行ったらというアイディアもあったようだ。

また、コスプレイヤー(個人)の写真や動画を販売するC2Cのプラットフォームモデルも、メルカリが問題視されていたように簡単ではない。 Webサービス内で運営側が収益を上げるのも、コスプレイヤー側に還元していくのも難しかったというのが現状だ。

最大の資産価値である7000名のコスプレイヤーの抱える課題

この法規制の問題に加えて、コスプレイヤー自体の収益源が極めて限られているという問題もある。

簡単に言えば、個人での撮影会の実施、コミケなどのイベントで写真や動画DVDの販売など、基本的には「画像/映像」にしか収益源無い。

もちろん、トッププレイヤーは、イメージキャラクターとなって収入が入ることもあるそうだが、その数は限定的だ。

一方で、コスプレイヤーになりたくても、AMPLE!に上がっているような写真を取れるようになるまでの道のりは長い。

筆者の知り合いも、自作で衣装を作っていたが、そのコストは数十万円単位だという話を聞いた。

そこにカメラマン、メイクなどの人件費、場合によっては場所代なども考えると、写真を数枚取るだけでも高額な趣味となる。

単純にICOに飛びついたのでは無く、数年の試行錯誤の末の選択肢

このような背景を知ると、AMPLE!が仮想通貨の発行に至った経緯は自然の流れだと納得感がある。 当然、仮想通貨周辺の法規制の動向がこれからどうなるか分からない事を差し引いても、だ。

その他のヲタク市場もアーティスト側にコストが掛からないとは言えないが、コスプレとなると、気軽に出来るものでは無い。

AMPLE!がこれから目指していく世界観は、この状態を打破した時に、AMPLE!自身も想像がつかない形でコスプレ市場が発展していく所にある。 その為に、AMPLE!COINによるICOを決断した。AMPLE!COINが流通することで。

  • コスプレイヤー及びその周辺プレイヤーに仮想通貨という形で少なくとも活動費が渡る

  • AMPLE!自身が資金調達出来ることで、多様な形の収益化の選択肢を提示する

  • 上記の2つの組み合わせで、写真/動画、撮影会だけで無い形のエンターテイメントを生み出す事で新しいユーザー層を獲得する

というのが大まかなシナリオだ。若干具体性が見えにくい部分に関しては、

「Youtubeも現在のYouberの活躍を見越してYoutubeを立ち上げたわけでは無い。でもYoutubeというプラットフォームがあったからYoubuerが生まれた。」 (大山COO)

というように、プラットフォーム(Youtube)とプレイヤー(Youtuber)、の両方の進化が新たな世界を作っていく事を目指している。 必ずしもYoutuberのような大成功例を沢山生み出していく必要は無いが、一定数は必要というのがAMPLE!の見解だ。

周辺市場をAMPLE!経済圏に巻き込み、職業:コスプレを一般化する

「職業:コスプレを一般化する」というビジョンがAMPLE!のホワイトペーパーには書かれている。

AMPLE!COIN自体は、AMPLE!の中だけで完結する予定では無い。他のヲタク市場のプラットフォームとの提携も現在協議中とのことだ。

最初のステップとしては、周辺のヲタク市場を取り込んでいく所を足がかりにする。そして、コスプレ市場を自体を少しづつ一般化していく計画だ。

ただ、一般化と言っても、コスプレを経験した事が無い人達にとってはイメージがつきにくい。

コスプレというよりは、「仮装」になるが、近年のハロウィンは、参加者としてのコスプレを想像しやすいイメージだ。

ここまでの経緯を聞いていると、5年間の運営の中で、課題や可能性など経験しないと見えない情報を沢山積み上げた上で仮想通貨という選択肢が彼らの世界観を実現するのにベターな選択肢だというのは頷ける。

既に2億円以上を調達したICOの裏側は

株式会社AMPLE 石橋 啓太

大学在学中に教育事業の設立メンバーとして参画。当時、約800名ほどの会員が学習するプラットフォームの構築やサイト制作のディレクションを経験。2015年デザイン事務所に入社し、大手教育企業サイトのデザイン、フロントエンドの開発を行う。その後、多くのスタートアップへの投資を積極的に行っているヒトメディアへ転職。コーポレートサイト、サービスサイト、ランディングページ、アプリの UI/UX デザインからロゴデザインまで、多くのデザインを手がける。AMPLE! のクリエイティブ全般を統括

実は想定外の好調な滑り出し

聞いても答えてくれないと思っていた質問からは意外な答えが返ってきた。

「投資家向けに行った一週間のプレミアムセール、仕込みは全くありません」

「こちらも、こんなにいきなり金額が集まってびっくりしました」

元々最低1億円を目標に開始したICOの最低金額が本番が始まる前から集まってしまったのだ。 筆者のように少しICOの内情を見聞きしている人間からすると、当然始まる前から購入の確約があって、 最低目標位の金額は到達することになっているのだろうと想像していた。

どうやらそうでは無く、1000万円以上というハードルにも関わらず、殆どが日本人の個人投資家から。 海外や会社名義での購入は殆ど無かったとの事だ。

このあたりの情報は、プレスリリースでしか確認出来ないので実情を聞きたかった点だ。

ユーザーコミュニケーションや海外プロモーションはこれから

AMPLE!のICOに関しては、これまで殆ど情報発信がされていなかったからだ。 情報発信がされていなかったというのには語弊があるが、ICO用のTwitterアカウントはHPから直接飛べない。

SlackやTelegramで参加者からの質問に随時応答しているような状態でも無い。 Discordというアプリでコミュニティは開かれているが、特に連日連夜やり取りがなされている様子も無い。

アプリを開くと、運営側から一切コメントが無いことに不安を抱くユーザーの声も見られる。 (*記事掲載時点では運営側からのコメントが追加されている)

理由を聞くと、現在はメールだけでも数があるのでその対応が中心になっていしまっているのが現状だそうだ。 この辺りは、順次体制を整えていくということだ。

そのようなICOは他にもあるが、ある程度知名度や後ろ盾があって成立する。 確かにAMPLE!のICOもアドバイザーは強力だが、もう少し地道なマーケティング手法を取るかと思っていた点で意外だったのだ。

長期戦を見込んだICO

この点に関しては、既に日本発のICO事例として成功しているALISやCOMSA、QUIINEXとは別の戦略を取っているのが理由にある。

かなり長期戦で戦っているのだ。ALISやCOMSAはほぼ1ヶ月間、QUOINEXは3日間という期間だったが、AMPLE!はプレミアムセールから数えると、 2.5ヶ月間の間ICOのセールを実施している事になる。 これも海外の事例を参考にすれば決して少数派には該当しない。

これからユーザーとのコミュニケーションや海外でのPRを増やしていくとしていたが、かなり状況に応じて柔軟に対応していくスタンスが見える。 これが吉と出るか凶と出るかはわからない。 一般的な事例としては、スタートダッシュで勝負が決まってしまう事例が多い。

最後にもう一点気になっていたのは、トークンセールでの調達金額の上限が約100億円という所だ。理由を聞くと、

「このICOをきっかけにこれまでAMPLE!やコスプレを知らなかった方にも沢山参加して欲しい」(霜田CEO)

という意図があるそうだ。

数字が大きい事自体は、いいのだが、売れ残った場合に、流動性がかなり低くならないかという点に疑問が残る。AMPLE!COINは総額で10億コイン発行されるのだが、トークンセールに出されるのは30%。売れ残ったコインに関しては、BURN出来るようにスマートコントラクト上は用意している。どうゆう選択肢を取るかは、結果を見てから決断していくとのことだ。

運営元のチームはどうなっているのか

運営元としては、しっかりとした株式会社がある

隠しているわけでも無いそうだが、AMPLE!は株式会社ヒトメディアのグループ会社として活動している。 実際に写真に写っているのは彼らが普段働いているオフィスで、完全なフリーアドレス。 自社のほかにもヒトメディアグループの関連会社が自由に使えるオフィススペースとなっている。

これも隠している事実では無いようだが、現在の霜田CEOが就任したのは、2017年8月から。 霜田CEOが参画した経緯としては、

「ICOの実施と今後の拡大を見据えて現場をしっかり回せる人材を連れてきた」(大山COO)

ということだ。大山COOは元々ヒトメディア所属で、関連会社のインキュベーションを行っていた。 AMPLE!には一番長く携わっているメンバーだ。

基本的には、デザイナーである石橋氏も含め、合計8名のメンバーで運営されているチームとなる。

アドバイザー陣が豪華

2017年11月20日に海外仮想通貨取引所のFounderであるMiko Matsumura氏がアドバイザーに加わったという発表があった。これは必ずしもICO終了後の上場が確定した、という話では無いようだ。上場に関しては、国内、海外含め現在取引所と調整中とのこと。

堀江貴文氏もアドバイザーに名前があって、Twitterでも応援コメントをしている。ほかも基本的には経営者が中心のメンバーだ。 海外のICOの通例で言えば、ブロックチェーンや仮想通貨コミュニティの重鎮を迎える事が多い。 AMPLE!に関して言えば、ICOだからというわけではなく、元々彼らを応援してくれた人たちがアドバイザーとなっている。

インタビューを終えて

COIN JINJAでは連日世界中のICOの情報を次々と掲載している。 ICOのプロジェクト自体、玉石混交で最初のスクリーニングが難しいという課題がある。

ただ、一方で、個別のICOの情報を見ていくと、中々中身が見えない部分があるとも日々実感している。 この点、ALISは多くの情報を公開し、経営陣とも直接コミュニケーションを取れる場を設けていた。しかし、そこまで経営陣の顔が見えるICOは中々無い。

そう考え、数少ない日本発のICOの事例として、AMPLE!の経営陣に取材をお願いした。

取り組みとしては完成度がまだまだ低いが、協力頂いたAMPLE!の皆様にはまず御礼申し上げたい。

株式会社AMPLE CEO 霜田元毅

⻘山学院⼤在学中に人材系のベンチャー企業に参画。営業職として入社2ヶ月で過去最高売上記録。支社立ち上げ責任者として関西支社設立。その後複数のスタートアップ立ち上げに関わり、エンジニアに転向後開発サイド全般を担当。5つ以上のサービスの0→1に技術統括として関わる。2017年9月株式会社AMPLEの代表に就任。

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